うわっ、びくーり!  2005 May 01 (Sun)  

■いやぁ、こんなことってあるんですね。とにかくびっくりしました。

というのも、4/18の日経新聞のコラムに書いた「実録・カード盗難被害の巻」が、参議院の財政金融委員会で取り上げられたのです。

■ネットで議事録を見たときは、一瞬、我が目を疑いましたが、たしかにぼくのコラムを元に公明党の山口那津男議員が質問して、これに谷垣禎一財務大臣らが答弁しています。

■議事録は↓で全文読めます。該当箇所は、けっこう下のほうです。
http://snipurl.com/f3jj

まあ、コラムの件については、白熱した議論にはならなかったようですが、以下に、その関連する部分のみ、抜粋して掲載しときます。


■第162回国会 財政金融委員会 第10号
平成十七年四月十九日(火曜日)
午前十時開会

■本日の会議に付した案件
○財政及び金融等に関する調査
 (キャッシュカード犯罪被害に関する件)ほか


■委員長(浅尾慶一郎君)

 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。


■山口那津男君

 昨日、キャッシュカードのスキミング犯罪をめぐって、ゴルフ場を舞台とする事件でありましたけれども、初公判が開かれました。

 また、昨日の日経新聞の夕刊の記事の中で、盛田隆二さんという作家の方のカード盗難被害の経験談が載っておりまして、この方がカードを盗まれて銀行に問い合わせたところ、ある支店で引き落としがあったと。

 その支店に電話してみると、防犯カメラに映っているので警察の人と一緒に見に来てくださいと言われたと。最寄りの警察署に行きますと、遺失物届か盗難届かでもめてしまったと。

 さらに、被害者はあなたじゃなくて銀行ですと言われたと。所轄の署に出向いてみると、盗難届を受理した最寄りの署に行って捜査をしてもらいなさいと、こう言われたと。

 挙げ句、その防犯カメラを見ることができた結果、担当の刑事さんが、その映っている映像、見覚えありますかと聞かれて、見覚えがないと言ったら、それじゃ捜査のしようがないなと、こう言われたと。

 この人が最終的に銀行から救済をされなかったということになりますと、これは民事的にも刑事的にも踏んだりけったりということになるだろうと思います。

 実は、多くの国民の方がこういうことに不安を覚える社会になってきておりまして、実務的に言うと、例えば所得税を申告する際に雑損控除の対象になるかどうかという話があるわけですね。

 これについて、国税庁として、どのような手続を取ればこの雑損控除の対象になるか、この見解をまずお聞かせいただきたいと思います。


■国務大臣(谷垣禎一君)

 その前に、私、答弁したことをちょっと訂正させてください。

 先ほどIMFCと言って、昔通貨金融委員会と言っていたというのは間違いでございまして、現在通貨金融委員会という名前で、昔はIMF暫定委員会という名前にしていたと。ちょっと間違えましたので、訂正させていただきます。


■政府参考人(竹田正樹君/国税庁課税部長)

 お答え申し上げます。
 スキミング犯罪による偽造キャッシュカードによります預金が不正に引き出された場合、その損失は、先生御指摘のとおり所得税法上の雑損控除の対象となるわけでございます。

 その手続的なことでございますけれども、雑損控除の適用につきましては、その損害を客観的に確認できる書類の提出をお願いしているところでございまして、スキミング犯罪による損失につきましても、その損失がスキミング犯罪に

よるものであること、またその損失の生じた日や損失の金額が確認できる書類を提出又は提示していただくことによりまして雑損控除の適用を認めておるところでございます。


■山口那津男君

 これには被害届を証明するための書類を添付しなければなりません。これ、だれが被害者か、どうやって手に入れるのかということで、やっぱり捜査機関の協力が必要だろうと思います。

 警察庁として、これらについてどういう対応をしているか、これについてお述べいただきたいと思います。


■政府参考人(岡田薫君/警察庁刑事局長)

 お尋ねのようなケースにつきましては、通常、刑法上の窃盗としては、被害者として、ATMを管理している金融機関というふうに考えられております。

 このことから、警察といたしましては、その金融機関に対して窃盗罪についての被害届を受けまして、そちらから御要望があれば必要な証明について交付をすると。

 これと預金者との関係でございますが、この証明について、さらに預金者が契約している金融機関を通じて預金者に交付がされて、雑損控除の申請に用いられるように今年の二月に全国銀行協会においてそういう枠組みが整備された

というふうに承知をいたしております。

 したがいまして、今後そういった枠組みが適切に行われるよう、私どもといたしましても、全国の警察に対してそうした交付申請に対して遺漏のないようにするように指導をしているところでございます。


■山口那津男君

 今のような手続が確立したのは今年の確定申告の直前なんですね。ですから、今年の確定申告に実際上間に合わなかったという方もいらっしゃったかもしれません。

 是非とも、来年以降もこれが徹底されるように、金融機関にもまた警察においても徹底していただきたいと、こう思います。

 あわせて、最後に希望でありますけれども、金融大臣、この偽造、スキミングをめぐる偽造の被害者と、それからやっぱり窃盗、カードを窃盗された被害者というのは紙一重のところがあるだろうと思います。

 窃盗の場合のその預金者側の落ち度については様々な幅があろうかと思いますが、その紙一重というところによく注目をしていただきまして、やはりこの窃盗における被害者、預金者も救済されるような仕組み、これを是非とも積極的に

検討していただきたい、これを要望いたしまして、私の質問を終わります。

●写真は、質問した山口那津男議員